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Vol. 10 デザインができるまでの道のり

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海洋葬「海の弔い」の施設デザインは、千葉大学 デザイン文化計画研究室の植田 憲先生、青木 宏展先生はじめ
9名の学生(当時学生だった方も含む)高木 友貴さん、郭 庚熙さん、土屋 篤生さん、宮田 佳美さん、柴田一樹さん、ジン ヨンジさん、陳 祉佑さん、王 一舟さん、張 淑怡さん、

そしてそのとりまとめに千葉大発ローカルベンチャーミライノラボの阿部厚司さん、田島翔太さんと取り組むことになりました。


※上記の写真は千葉大学デザイン文化研究室を含むプロジェクト関わる方々の写真です

学生の皆さんとは、まずお寺や仏教界が抱える現状の問題から、お墓の継承問題、そして妙海寺が考えるお寺の在り方などを知って頂くため、時間を掛けてミーティングを行いました。

学生の皆さんはこの特殊な仏教界の仕組みをかなりの深度まで理解しなければならないこともあり、非常に苦労されたことと思います。しかしながら、お一人お一人のプロジェクトへの姿勢とデザイン力・企画力には大変驚かされました。

最初のデザイン案は「散骨された方々がこちらの岸に戻ってくる目印、命の灯台でありたい」というものをコンセプトとし下記のようなデザイン案が多数上がってまいりました。

そのデザイン案、コンセプト案から
「様々な姿に変化する美しい太平洋を、新しく建てられる供養塔が邪魔することなく、その太平洋をバックに亡くなった方々を感じながら祈ることができる構造」
という部分を採用。さらにブラッシュアップを重ね下記のような両案が出来上がってきました。

A案、B案共に甲乙つけがたく、両方の良い部分を残せないかということでその両方の折衷案が出来上がってまいりました。
ここまで来るのには(言葉にすることのできないほど)本当に大変な労力を費やしていただきました。

そして、さらにデザインのブラッシュアップ、大きさ、色、材質、仕上がりに至るまで詳細に打ち合わせを重ねてまいりました。そして、現在の最終案に至った次第です。


永代供養墓の「結の廟」デザイン、そしてランドスケープ(全体的なデザイン)のご相談にも乗って頂きました。

壁に使う仕上げ材、色味、植栽のバランス、全体のデザインから詳細に至るまで、この空間がよりあたたかく、そして心地よい空間になる様に考えていきました。
迫りくる期日に追い立てられ、私の強いこだわりに最後までお付き合いいただき、本当に大変だったと思います。
12月に完成した暁には、千葉大学 デザイン文化研計画究室、千葉大発ローカルベンチャーミライノラボの皆さんと共に歓喜の涙を流すことになると思います。完成が楽しみです。